后退 返回首页
作者:割内タリサ,鵜飼沙樹
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-07-25(overlap)
价格:¥730 原版
文库:overlap文库
丛书:異世界迷宮の最深部を目指そう(4)
代购:lumagic.taobao.com
異世界迷宮の最深部を目指そう 4 目次 1.ラウラヴィア国の新しい物語 2.報われない君が為に 3.再会 4.ギルドの簡単なお仕事 5.三十層の守護者ガーデイアン 6.最強の剣士 7.そして、崩れる イラスト/鵜飼沙樹 1.ラウラヴィア国の新しい物語  ――誓った……? 何を……?  ゆっくりと目を開け、身体を起こす。そして、その重い頭を動かして、周囲を確認する。 「ここは……?」  記憶にない場所だった。木造の狭い個室に、最低限の家具だけがある。開け放たれた窓が一つあって、そこから涼しい風が入り込んでくる。  簡素だが落ち着く部屋……そう思った。  そんな部屋の中に一人の男がいた。  精悍な顔つきの男が、数少ない家具の椅子に座っている。名前は確か――パリンクロン。  そうだ。彼は僕の命の恩人のパリンクロン・レガシィだ。 「おっ? 起きたな、カナミ。丁度いい。おまえの妹も起きたところだ。案内するぜ」  目を覚ました僕を見て、パリンクロンは手に持っていた本を閉じ、親しげに僕の肩を叩いたあと、部屋の外に出ていく。  案内すると言われ、僕は寝ていたベッドから飛び起き、それについていこうとする。  そのとき、身体が硬直する。  配線を間違えたかのような、人形の手足を逆にしたかのような、不快な違和感を覚えた。  ――何かがおかしい。  ただ、そのまとわりつく違和感と共に、清々しい解放感も同時にあった。心にぽっかりと穴が開いたような感覚だ。  大切な何かを間違えたような気がする。大事なことを忘れたような気がする。  けど、そのおかげで、身体が軽くなったような気もする。そんな不思議な感覚。 「カナミ! 早く来いって!」 「あ、あぁ! わかった、パリンクロン!」  しかし、パリンクロンの急かす声によって、その感覚は消える。  命の恩人を待たせてはいけないと思い、深く考え込まずに部屋から出た。  そして、外の廊下を見て、ここがどこであるかを思い出す。  ここはギルド『エピックシーカー』の本拠だ。  先ほどの部屋はギルドにある医務室で、そこで僕は休息していたのだ。  起きたとき、なぜそれに気づけなかったのか、不思議でならない。  しかし、不思議がってばかりもいられない。