后退 返回首页
作者:桜山うす,フルーツパンチ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-06-25(overlap)
价格:¥650 原版
文库:overlap文库
丛书:コートボニー教授(2)
代购:lumagic.taobao.com
コートボニー教授の時をかける花嫁 目次 序章 1 時をかける人形の冒険 2 飛べない鳥の翼を集めて空を飛ぶシンプルで確実な方法 3 天空城遺跡を散策せよ! 4 悪魔との遭遇 5 現実世界への反撃 6 タイムリーパーは過去に向かう 7 コートボニー教授の時をかける花嫁  4月。といっても、この世界を四季が巡っていると実感できる者は希だろう。隅から隅まで氷に閉ざされた極寒の大地には、生き物の営みがまったくみえない。氷山と雪原と青空のみで構成された空間が、どこまでも美しく冴え広がっていた。  陽光の照り返す雪原を、ひと筋の汗が垂れていくように、スノーモービルが駆け抜けていた。地中深くから抽出された古代生物の濃縮液、ガソリンを燃やして走るこの機械の前方には、1200ccVツインエンジンが搭載され、マフラーから常に熱い排煙を流し、爆音を立てているのだが、いずれも無限に広がる虚無の中に吸い込まれていった。 「超越魔法《月刊予言書タイムマシン》は、毎月28日、午前0時をもって更新されます。その際、仮想世界を構成する魔法物質は跡形もなく分解され、再構築されます。  消滅した世界における人間の生存は、保証いたしません。仮想世界におられる方は、くれぐれも、ご注意ください。ただいま、4月29日、午前5時、5秒前をお伝えします」  ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぽーん。  スノーモービルに備え付けられた旧式のラジオが、ノイズだらけの時報を流していた。ゲートが生まれた影響なのか、その時からなにやら奇妙な時報が紛れ込むようになっていたのだ。仮想世界とは一体なんなのか? いまは分からない言葉だらけだったが、それもゲートの向こうを調査すれば、いずれ分かってくるはずだ。 『リペルディ、間もなくゲートに到達する』 「ええ、提督。霧が出ているのを視認しています」  首の後ろに巻き付けられた通信機ごしに、リペルディは彼女の本国マルスポーチ郡と連絡を取り合っていた。衛星回線を使ったこの通信は、まだノイズもなく明瞭に耳に届く。 「ここ電波悪すぎ。異世界って、電波が届くの?」 『分からない。帝国の資歴アーカイブには、電波通信の記録がない』 「もし、電波が届かなかった場合、私は3分と持ちませんから、あとはよろしく」 『リペルディ、その時は緊急連絡手段として――』