10歳の保健体育 8
【イラスト】 高見明男(XEBEC)
【仕上げ】 中野 剛(XEBEC)
【デザイン】 伸童舎
もくじ
ほーむるーむ
1時間目
2時間目
3時間目
4時間目
5時間目
終業式
新学期
あとがき
ほーむるーむ
過労で入院したこの俺、姫武静姫であるが、当然のように翌日には、入院に飽きて看護師さんのお尻を撫でたりする。
「こらあ、姫武く〜ん、駄目でしょ〜、め〜」
矢鱈とゆるふわ系な看護師さんがゆるふわに俺を咎めるが、全く怒った感じがしないので、このお姉さんは白衣の天使だと思った。
「……」
その様子を開け放たれたドアの向こう側で、見舞いに来たらしき、俺の家の隣に住む10歳の少女、似鳥はみるが、ものっ凄い冷ややかな目で見ていた。
「ふあ!? はみる、いつからそこに!?」
「お兄ちゃんはいつから看護師さんのお尻を撫でていたんですか」
声がとげとげしく、メッチャ怒っている。
「は、はみるちゃんが、中々お見舞いに来てくれなかったから、寂しかったんだよぅ」
「そうですか」
「そうだよぅ」
「そうですか」
「……」
「そうですか」
「……すみませんでした!!」
はみるの声が兎に角、怖いので、ベッドの上で土下座をした。
「はぁ……もう、お兄ちゃんは……」
やりきれないため息を吐くはみるに、『じゃあ、後はお願いねぇ、可愛い看護師さん』と言って看護師さんがナースステーションに戻っていく。
「寂しかったのは、本当だよ、はみる」
「もう……お兄ちゃんは……」
ベッドの横の椅子に座るはみるの頭を撫でながら優しく微笑んで言うと、はみるは今までの棘をどこかへ捨て去って、はにかんだ声でくすぐったそうにする。
そう、実は、昨日はみるから告白をされて、恋人同士になった。
……のだが。
改めて考えてみると、恋人同士になったからって、今更何をどう接し方を変えるかってのもあるしな。
しかし、心機一転で、恋人っぽくするのもアリかもしれん。
「似鳥さん、最近どうですか?」
「何か、物凄いよそよそしくなりました!? しかも、最近割と一緒にいるのに最近のことを聞かれました!?」
メッチャ驚いてんな。
ちょっ