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作者:不動准,佐伯トウマ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-03-20(一迅社)
价格:¥500 原版
文库:一迅社文库

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プリンセス·プリズン! Illust 佐伯トウマ Design AFTERGLOW 目次 第一章 姫君たちの牢獄 第二章 看守長のお仕事 第三章 グラン=ガルバリエからの脱出 第四章 積極的思考の効用 第五章 艦隊強襲~ピアの危難 あとがき 第一章 姫君たちの牢獄  加門祝太は、小舟の上にいた。  手には頑丈な木製の手枷。足には重い鉄球がつながれた鎖。  ああ、どうしてこんなことに。  祝太は何百回目かの自問を繰り返した。  ほんの数日前まで、祝太はどこにでもいる、日本の平凡な高校生だった。  それが今は――――  船の上には、祝太と、小柄なゴブリンの船頭の二人っきり。  片手で器用に帆を操るゴブリンの船頭は、片目の潰れた顔を祝太に向けた。 「兄ちゃん、いったいなにやらかした」 「なんにもやってないよ! 俺は無実なんだ」  祝太は訴えた。ゴブリンは、キヒヒ、と皮肉な笑い声をあげた。 「みんなそう言うんだよ。この囚人護送船に乗せられるとな」  祝太はたまらず、厚い雲の立ちこめた暗い空を見上げた。  日本の皆さん、俺は今、異世界の牢獄にぶちこまれようとしています。 「ほれ、見えてきたぜ」  ゴブリンが前方を指さした。祝太も目を凝らす。  鉛色の空を背景に、天高く黒々とそそり立つ巨大な影が見えてくる。  大海原の真ん中にぽつねんとある孤島。  そこに打ち建てられた、巨人の墓石のごとき堅固な石の壁。  あまりに壮大すぎて、遠近感が狂う。その壁がいったいどれほど高いのか、祝太には推測すらできないほどだった。 「要塞だ……」  我知らず、祝太はつぶやいていた。ゴブリンがまた笑う。 「ひっひっひ、ご名答ってやつだ。ありゃ大昔に作られた海上要塞だよ。もっとも今は、監獄として使われてるがね。おまえさんがこれから一生暮らす場所よ」 「マジかよ……」  祝太はぶるるっ、と身震いする。  その威容はまるで、「絶望」そのものが凝り固まったかのようだった。  祝太の脳裏に、恐ろしい情景が次々に浮かんでは消える。  獄内にひしめくマッチョで凶悪な受刑者たち。冷酷な獄卒。一年中日の差さない冷たい地下牢。暴力。拷問……。  祝太は早くも全身の力が、へなへなと抜け