スカイライド!
挿画:p19
デザイン:BEE―PEE
目次
序章 空を舞うスカイエンジェル
第一章 世界で唯一の男
第二章 絶望のまみりん先生来襲
第三章 修司センパイ、ちょーすきですーっ!
第四章 何も知らないくせに
終章 未来に向かって
あとがき
序章 空を舞うスカイエンジェル
「白百合桜子! あなたの負けよっ! 羽をもがれ、浅ましく地に墜ちた姿がお似合いだわ! あーっはっはっはっは!」
機械の羽――スカイライドを身にまとい空を舞う少女の声。
その声は自らの勝利を全く疑っていなかった。
きらり、と頭上に掲げられたティアラ。それを彩る大きな宝石が太陽の光に照らされて、光っている。彼女たちのその美しい競技姿はスカイエンジェルと称されている。
強い風になびいている金髪少女の高笑いと同時に、スタジアム中に沸き起こる歓声。
観客席の黒崎修司は思わず拳を握りしめ、背中に一筋の汗を流す。
視線の先には大地でうずくまる桜子と呼ばれたもう一人の少女がいた。
「十三戦十三敗、あっ、これで十四戦十四敗になるのかしら?」
金髪少女は桜子に向かい、手にした短刀を見せつけるようにして、けらけらと唇を歪ませた。
「そういえば、今回の勝負、幼なじみくんを呼んでたんじゃないの? こんな無様な『スカイライド』を見せることになるなんて、戦う相手を間違えたのではなくて?」
その言葉に、修司はどきっとした。
それは桜子も同じようで声を荒げていた。
「うるさいうるさいっ、修司のことは関係ないでしょっ! キリカ、今は目の前の勝負に集中しなさいよっ!」
「ふふっ、余裕がないわね。そんなんじゃ、勝負にならないけれど? スカイライドは、冷静さと機敏さが大切なんだから。落ち着かないと、わたくしのここ、狙えないわよ?」
にやにやと笑いながら、自分のティアラにある宝石――コア・リンケージをナイフで示す金髪少女、キリカ。この宝石こそがスカイライドの勝敗を決する文字通りの宝。
それを弄び、こんこん、とナイフで叩いてみせる余裕すら見せている。
上から目線のキリカの言葉に、桜子は拳を震わせている。そして、ぎりりと下唇を噛んで、宙のライバルを睨みつけて、地面に立った。
「うるさいっ……! 油断を見せているあ