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作者:佐々宮ちるだ,だんちょ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2014-03-20(一迅社)
价格:¥500 原版
文库:一迅社文库

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はみだし英傑の冒険譚 イラスト/だんちょ デザイン/伸童舎 目次 序 地下迷宮の×DRAGON 第一話 遅れてきた×SAMURAI 第二話 月下の×ENCOUNTER 第三話 はじめての×DUNGEON 第四話 奥様は×FOREIGNER 第五話 はみだし×HERO あとがき ◆序 地下迷宮の×DRAGON 「……ん……っ」  全身を覆う鈍い痛みに、少女はゆっくりと眼を開く。  うっすらと見える視界が、夕焼けのように朱く染まっている。  地の底深く広がるこの迷宮で、どうして夕映えが――。  肺に酸素を送り込んだ途端、器官が焼けつくように熱くなって思わず咽せる。  周囲の空気そのものが、灼熱になっているのだ。  やがて、周囲を染めているのが燃えさかる炎の照り返しだと気づく。 (……ああ、そうだ……我は……)  おもむろに顔を上げると、視線の先にひとりの少年の背中が見えた。  満身創痍となり、手にした刃は無残にも砕け散っていたが、それでも自分の脚でしっかと地面を踏みしめ、顔を上げていた。 「リョウ、マ……」  少年の名前を呼んでみる。  偶然に偶然が重なった成り行きとはいえ、彼女が生涯の伴侶と決めた男だ。 「…………っ」  少年が見据える先に視線を上げて、少女は息を呑む。  そこにいたのは、巨大な彫像のようにそびえ立つ巨大な龍ドラゴンだった。  あれはこの地下迷宮を守護する八体の聖なる龍の一翼「灰の王」だ。  体表を覆う鱗に炎が反射し鈍く光るその威容は、まさに神の遣わしたる、人智を超えた存在にふさわしかった。  もし不幸にも迷宮で守護龍と遭遇してしまったら、即座に地にひれ伏し寛大なる慈悲を乞うしかない。  それでも無事で済むのは、万に一つの確率だ――彼女はそう教わった。  だが、少年は跪き頭を垂れることもなく、一歩も引かない気概で巨大な龍の前に立っていた。 「……!? ま、待、て……っ」  愚挙を諫めようとするが、身体は鉛のように重く、指一本たりとも動かせなかった。  やがてまっすぐ己に向けられた視線に反応したのか、地響きのような唸り声とともに龍が巨大な顎を開ける。  鋭利な牙の林と紅絨毯のような舌の奥で、まるで火山の噴火口のように灼けただれた赤光が輝き始