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作者:はせがわみやび
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2014-07-18(一迅社)
价格:¥500 原版
文库:一迅社文库

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暁の夢使いたち 挿画:鷹野ゆき デザイン:児玉賢吾(BEE‐PEE) 目次 1章 悲観主義者とホラー音痴 2章 DreamMaker 3章 夢見る心をなくしたら 4章 君がいてくれたから 5章 しののめの… 6章 夢使いたち あとがき 一章 悲観主義者とホラー音痴  成川浅葱は極めつけの悲観主義者だった。 ※ ※ ※  一年でもっとも昼の長い日だった。  それでも夜はやってくる。忍び足とともに黄昏を連れて。  あたりの景色は茜色に染まり、あらゆる物の輪郭もあやしくなって、通りを行き交う人々が影法師と化す逢魔の時間。  浅葱は物売りの声も喧しい商店街を折れて裏通りを歩いていた。  コツン、と小石を蹴った。転がった小石が狭い小路の石壁で跳ねかえって排水溝へと落ちる。ぽちゃんという水音に浅葱は、物思いから覚めた。  顔を上げ、はっとしてあたりを見回す。 「っと……ええと」  気づけば、裏通りには人通りが絶えて浅葱の周囲には誰も歩いていない。あらゆる物音が消えていた。  浅葱は急に不安になった。いつものようにその不安を種にして悲観的な妄想が膨れあがる。  まさか俺の知らないうちにもう世界が滅んでいたりして、とか。  本当の俺はもう死んでいて、ここにいる俺は幽霊なんじゃないか、とか。  ごくり、と唾を呑む。そんなはずはない。そう思うのに、こんなふうにひとりでいるときに物思いから覚めた瞬間は、浅葱はいつも不安でたまらなくなるのだ。そういうときに浅葱の取る行動はいつも同じ。  すれ違う電柱に手のひらを押し当てる。ひんやりとした石の柱の感触を得て、そうして浅葱はようやくこの世界が夢ではないことを実感できる。  ほっとするとともに頬が熱くなった。耳を澄ませればちゃんと、表通りを走る車の音も蝉の声も聞くことができる。遠くに響くのは機械音声による廃品回収の口上だ。  世界は滅びていないし、自分はまだ生きている。 「だよなぁ……」  小路の途中にある我が家が見えてきた。  築三十年、平屋の木造家屋が浅葱の家だ。高校二年の浅葱はこの家に母とふたりで住んでいる。学者の父は東北にある大学付属の研究施設に単身赴任中だった。  錆の浮く門に手を掛けるとキィと鳴った。  その音に浅