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作者:椋本梨戸
类型:乙女向 书籍样本 日文
出版:2016-11-29(Frontier Works)
价格:¥620 原版
文库:阿丽亚娜玫瑰

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貴公子は怯える少女を抱きしめる この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは、いっさい関係ありません。  CONTENTS   第一部 抱き寄せた初恋   第二部 ずっと一緒に   番外編   あとがき イラスト/里雪 第一部 抱き寄せた初恋 「ほらリーゼ。ちゃんと顔を上げて」  姉の言葉に、リーゼは首を横に振る。目線を絨毯に向けて、顔を扇で隠していた。 「せっかくの社交界デビューなのよ。あなたは可愛いんだから、笑って微笑んでいれば、素敵な男性がたくさん寄ってくるわ」 「寄ってこなくても、いいもの」  ぽつりと零した言葉に、ヴァイオリンの優雅な音色が重なる。  春。都で毎晩のように開かれる舞踏会には、華やかな貴族たちが集っていた。  リーゼは十七歳だ。本来なら去年社交界デビューを果たすはずだったが、二年前にいろいろなことが起こって、今日まで延びてしまった。 (本当なら、ずっとデビューなんてしなくてもいいのに)  郊外の屋敷で、静かに暮らしたい。誰の目にも留まらない場所で。それだけが、リーゼのささやかな願いだった。  しかし、たった一人の家族である姉の婚約が決まり、リーゼの周囲はにわかに騒がしくなった。姉のエルゼは引きこもりがちな妹を一人で残しておけないと、社交界に無理やり引っ張り出してきたのだ。 「ディーターはどこにいるのかしら。この子にいい人を紹介してほしいのに」  エルゼは自身の婚約者を探している。扇の内側で、リーゼは顔をこわばらせた。 (男性を紹介だなんて、そんなこと、頼んでないのに)  姉が自分を心配する気持ちは分かる。ありがたいとも思う。けれど、どうしたって喜べない。  その時ふいに、リーゼの上に影が落ちた。同時に低い声も降ってくる。 「やあ、久しぶりだねエルゼ」 「ライザー卿! ご無沙汰しております」  四十代半ば程の紳士に、エルゼが慌てて礼を取った。誰かは分からないが、きっと爵位持ちの紳士だろう。リーゼは姉の陰に隠れるようにして、頭を下げた。 「ディーター=ロイス君との婚約が決まったそうじゃないか。おめでとう」 「ありがとうございます」 「ところで後ろの女性はもしや、エルゼの妹御かな?」 「はい、リーゼと申します。今夜が初めての夜会でして」 「ほう、それは初々しい。エルゼの妹御というと、さぞかし美しいのだろうな。