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作者:氷川一歩,沖麻実也
类型:乙女向 书籍样本 日文
出版:2017-03-02(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社X文库White Heart

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幻獣王の心臓 四界を統べる瞳 ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 幻獣王の心臓 四界を統べる瞳 氷川一歩 目 次 序 第一話 蛙の闊歩 第二話 蛙の穢れ 第三話 神亀の采配 終 あとがき イラストレーション/沖 麻実也 幻獣王の心臓 四界を統べる瞳 序  商店街の入り口付近にある喫茶店は、隠れ家的な雰囲気を持つ、知る人ぞ知る名店だ。  店構えはレンガ調で、店内に足を踏み入れれば間接照明に年季の入った椅子やテーブルと、なかなかモダンな雰囲気を醸し出している。  そんな喫茶店において、その二人組は不釣り合いな組み合わせだった。  一人は女。  均等に切り揃えられた髪型に袴姿、そしてブーツという組み合わせは、まるで大学の卒業式帰りのように見える。ただ、そろそろ梅雨も明けようかという今の時期、大学の卒業式なんて行われているはずもなく、大正時代の女学生が現代に紛れ込んだみたいで悪目立ちしていた。  対するは男。  袴女の対面に座る男は、恰好から見て高校生らしいが、ブレザーが主流になりつつある今、詰め襟の制服は珍しい。しかも丈を短くした改造学生服であり、髪は金色に染め、右耳には二つのピアスを付けていた。何より、椅子に座る恰好からして大股を開き、あまりにガラが悪い。  いうなれば、時代錯誤な大正乙女と現代ヤンキーの組み合わせだ。目立たないほうが難しい。何より、そんな二人の関係を推し量るのは無理というものだろう。 「つーか、おめぇよぉ」  運ばれてきたコーヒーをそのままに、苛立たしげにテーブルを指先で小突きながら、金髪男のほうが女を睨め付けて口を開いた。 「この俺様を呼びつけやがって、それ相応の覚悟はあンだろうなぁ。あぁ?」  金髪男がこめかみに青筋を浮かべそうなくらいに睨みを利かせるが、袴の女は怯えもしなければ戸惑う素振りも見せない。背筋を伸ばした堂々とした佇まいで、コーヒーカップに手を伸ばし、豊潤な香りを楽しんだ後、舌の上で転がしてからようやく言葉を発した。 「〝シンガン〟に掛けられていた呪言ですけれど、ようやく切れたみたいですわよ」  袴女からの暗号めいた一言に、金髪男は眉根を寄せる。 「〝シンガン〟っつーのは……あれか、中央の座に就くために必要なもんだったな」 「あらやだ、このすっとこどっこい。わたくしたちの間