后退 返回首页
作者:クレハ,ヤミーゴ
类型:乙女向 书籍样本 日文
出版:2016-10-12(Frontier Works)
价格:¥972 原版
文库:阿丽亚娜玫瑰

代购:lumagic.taobao.com
復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる 1 アリアンローズ  復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる 1 著者    クレハ イラスト ヤミーゴ 目次  復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる1  序章  第1話 召喚  第2話 追放  第3話 森の魔女  第4話 精霊の力  第5話 時の精霊  第6話 市場  第7話 腕輪  第8話 薬草茶  第9話 悪戯  第10話 旅立ち  第11話 竜王  第12話 お宅訪問  第13話 愛し子  第14話 登城  第15話 ヨシュア  第16話 魔力の波長  第17話 探検  第18話 お仕事開始  第19話 不穏な噂  第20話 真実  第21話 真相  第22話 再会  第23話 帰還  この作品はフィクションです。  実在の人物・団体・事件などに一切関係ありません。  序章  地球と似ているようで全く似ていない異世界。  けもみみの獣人が普通に闊歩する世界に地球生まれ地球育ちの瑠璃はいた。  それも、この世界で最も強い種族とされる竜族、その中で最も力がある竜王の膝の上に。  人間であるはずなのに、何故か猫の姿で……。 「陛下、至急こちらの書類に目を通していただきたいのですが」 「分かった」  頭上でのやり取りを耳にしながら窓の外に目を向ければ、テレビや本の中でしか存在しない巨大な竜が我が物顔で空を飛んでいる。  その光景を目にするだけで、ここが地球ではないと分かるだろう。  最初は顎が外れそうなほど驚いたが、今では日常の風景として受け入れている。 「もう少しで終わるから待っていろ」  ぼんやりと外を見つめていると頭上から低い美声が降ってくる。  竜王にそう言われ、同時に顎を撫でられると、意識していないのに気持ち良さから喉がごろごろと鳴ってしまう。  そんな自分に、我に返って瑠璃は思うのだ。 (あれぇ、どうしてこうなった……)  本来なら地球で大学に通っていたはずの自分。  青春を謳歌しているはずの自分が何故こんなファンタジーの世界で、それも王様の膝の上に載っているのか……。  第1話 召喚  思い起こすことおよそ二年前。  外国人でモデルの母と、外交官の父を両親に持つ、森川瑠璃。  母と同じプラチナブロンドの髪と名の由来ともなった瑠璃色の瞳、日本人らしい顔ながら容姿端麗な両親の遺伝子をしっかり受け継ぎ、人生勝ち組とガッツポーズをとりたくなる容姿と家に生まれた。  しかし、どうやらそこで運を大いに使ってしまったらしく、無邪気に幸せと喜べるような環境ではなく、度重なる不幸に見舞われていくことになる。  その不幸の始まりは篠宮あさひと家が隣同士となったことで間違いないと瑠璃は断言する。  信者を次々と量産するあさひにより、幼少期より被害を被ってきた瑠璃。  せめて年齢が違っていれば良かったのにと、何度瑠璃は思っただろう。  瑠璃と同じ年のあさひ、幼い頃から可愛い子ではあったが、周囲は何かとあさひの方ばかりを可愛がり優遇した。  瑠璃が性格が悪いとかでは決してなかったはずなのだが、周囲は何かとあさひをひいきする。  先生だけでなく同じ子供達もその親も。  そして異常にあさひを甘やかす人達の怒りの矛先が何故か瑠璃に来てしまうのだ。  ある時は、あさひと玩具の取り合いになり瑠璃だけ怒られる。  そこは子供の喧嘩なのだから両成敗ではないのかと思う。  しかも、あさひは自分の玩具を確保した上で瑠璃の玩具を欲しがったのだ。だというのに怒られた上、貸してあげなさいと玩具を奪われたので、子供ながらに理不尽さを感じたものだ。  半泣きになってそれを渡せば、周囲はやっと渡したかという表情。  どうしてあさひばかりを優先するのか分からなかった。この時は幼いこともあり、怒りというよりは何故自分だけという疑問の方が大きかったように思う。  更に小学校に上がったある時、瑠璃の綺麗な髪の色を羨ましく思ったあさひが瑠璃と同じ色に染めてきた。小学校は子供の体に良くないと染髪禁止だったので、教師はあさひの親に話を聞く事態となり、事情を説明。  普通ならば校則を説明した後、今後染めさせないよう注意をするものだが、何故か注意を受けたのは関係ないはずの瑠璃だった。  瑠璃がそんな髪をしているから周りが興味を持つのだという理不尽な言い分。  染髪禁止と言っておきながら瑠璃に黒く染めるよう要求をしてくるのだから、開いた口が塞がらない。  私の髪は天然だと訴えたところで教師には届かない。  結果的に黒髪のかつらを被ることにしたのだが、それを見たあさひに「瑠璃ちゃんなんで髪が黒いの?」と呑気に問い掛けられた。  いったい誰のせいでこうなったと思っているのか! 瑠璃は憤慨した。  更に更にある時、遠足で遠出した際、何故か常に行動を共にしようとするあさひを振り切り、自由時間を謳歌した瑠璃。集合時間になってあさひが迷子になったと分かると、教師も生徒も何故見ていなかったのかと瑠璃を責めるのだ。  そもそもあさひとは幼馴染というだけであって保護者でもない。生徒の監視をするのは教師の責任であるはず。別の班だった瑠璃が責められるいわれはないのだ。  日本人離れした瑠璃と、日本人らしい容姿で可愛く愛嬌のあるあさひとでは、あさひの方が親しみやすいのだろうと幼いながらに己を納得させていたのだが、さすがにあからさまなひいきを目の前でされ続けたためか、瑠璃が少々ひねくれた性格になったのは致し方ない。むしろぐれなかったことを褒めてもらいたいと思う。  そして、年を重ね十九歳の大学生となった瑠璃にこの後の生活を大きく変える問題の日が訪れた。  瑠璃はそおっと玄関の扉を開け左右を確認。 「よし、いないわね」  あさひがいないことを確認した瑠璃は素早く体を外に出すと玄関の鍵をかけ、鬼気迫る勢いで家を飛び出した。  家が隣なせいで小学校、中学校が同じだった瑠璃とあさひ。  私立に行けば良かったと後悔したのは中学校の入学式。  同じクラスだった子が私立に行ったと耳にし、愕然としたのを覚えている。  家の経済状況を考えれば、あさひの家庭では絶対に不可能な、授業料のバカ高いお嬢様学校にだって入学できたのだ。  そう思って、高校は授業料の高い学校に入学したのだが、何故かそこにはいないはずのあさひが……。  何故と聞けば「だって瑠璃ちゃんと同じ学校が良かったんだもん」と返される始末。  親の経済状況を考えなさいと叱ったところで「大丈夫だよ」と笑顔付きの言葉が返ってくるだけ。  一般サラリーマンで専業主婦のあさひの家ではお金を工面するのは非常に大変だっただろうに、あさひはもっと親のことを考えるべきだ。しかし、あさひの親も例に漏れずあさひには激甘なので頑張ったのだろう。おかげであさひが来てしまい、瑠璃の高校生活は散々なものになってしまった。  頼むから子供を叱るということを覚えてほしいと切に思う。  それならばと、猛勉強して偏差値の高い名門大学に入学してみたら、あさひは試験に落ち、思わずガッツポーズ。  少しでもあさひと離れるため、大学近くのマンションに引っ越したのだが、何故かあさひも同じマンションに引っ越してきた。  いわく「瑠璃ちゃんの大学近くの短大に入学できたし、せっかくだからマンションも同じが良いなって思ったの。隣じゃなかったのは残念だね」だとか……。 (やっと離れられると思ったのに! いったい誰だ、私が住むマンションの場所を教えた奴は!?)  それからというもの、唯一あさひが入れない大学が休息の場となり、講義がない日まで足を運ぶようになったが、高確率で家を出たところをあさひに捕まり、仲良く(あさひにとっては)登校する羽目になるのだ。  それを避けるため、時間をずらし家を出るが、何故か捕まってしまう。  現に今も……。 「瑠璃ちゃん、待って〜」 (きっと奴は野生並みの嗅覚と聴覚を持っているに違いない)  悪魔の呼び掛けにげんなりとしながらも、歩む足は止めることなく早歩き。  そんな瑠璃に追いついたあさひは、頬を膨らませる。 「もう、授業がある時は一緒に行こうって約束したじゃない」 (断じて約束などしていないから。必要ないって言ったのに人の話無視して勝手に決めたんでしょうが!!)  心の中で悪態をつきながら、歩くことだけに集中する。  これは何度拒絶しても全く話を聞かないあさひへの対処法として考え抜いた結果だ。 (やつは空気、やつは空気……)  その間、あさひは返答のない瑠璃を気にせずひたすら話をし続ける。  完全無視の相手に、楽しそうに喋り続けるその空気の読めなさは、もはや天然記念物級である。  瑠璃なら、その人には用事でもない限り二度と話し掛けない。  あさひの短大が近づいて来ると、男三人と女一人の四人組がこちらへ向かってくる。  笑顔であさひに挨拶する四人は、瑠璃も知る中学校の同級生で、彼らはあさひの隣に瑠璃がいるのを見ると、分かりやすく嫌そうに表情を歪める。 「おい、またお前か」 「あさひちゃんは優しいから放っておけないんだろうけど、こんな子に構うことないわよ」 「皆、瑠璃ちゃんは親友なんだからそんなこと言わないで」 (いやいや、いつ誰が誰の親友になったんだ。あんたが勝手に言ってるだけでしょうが)  関わりたくない瑠璃は距離を置こうとするのだが、あさひは何故かちやほやする周囲の人間ではなく、ほとんど反応を返さない瑠璃に付きまとう。  あさひの周りにはいつも人が集まってくる。  それはもう、どこの宗教団体だと言わんばかりにあさひを崇拝する人間ばかりが集まってくる。  そんな人達から見れば、あさひから親友と特別視されている瑠璃は目の上のたんこぶでしかなく、何かと目の敵にされているのだ。  そんな信者たちは、あさひに関わらない人達から見ても異常さを感じるようで、いつもあさひに絡まれている迷惑そうな瑠璃を遠くから哀れみの視線で見ていたりする。  だがそれも、一度あさひと関わるようになると、瑠璃に敵意を向けるようになるのだから、始末に負えない。  おかげで大学に入るまで友達と呼べるような人はできなかった。できたとしても、いつも側にいるあさひと関わらずにいるということは不可能なので、そうなるとすぐに友人から信者に変貌を遂げる。  あさひから離れたい瑠璃からすれば敵意を向けられるのは迷惑そのものだが、今まで何度頭を捻り試行錯誤してあさひから離れようとしてみても全て無駄。  毎年賽銭箱に大金を入れてお祈りをしたり、怪しげな壺も買ってみたが、未だに効果の兆しは見られない。 (くそう、今度は某国の黒魔術でも試してみるか……)  ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる周囲をシャットアウトし物思いに耽っていると、視界の隅を何か光るものが過ぎった。  横を向くとふわりふわりと光る粒子がいくつも舞っている。思わず手を伸ばすが掴むことはできずすり抜けてしまう  それと同時にリイィンとまるで鈴の音のような澄んだ音が聞こえてきた。  どこから聞こえてくるのかきょろきょろと辺りを見回していると、更に光る粒子は増え、数が増えるだけでなく次第に個体の大きさも大きくなっていくような気がする。  それらは瑠璃達の周囲にだけ集まっており、視線を下げると地面から湧き上がってくるように見える。 「何?」  依然鈴の音は鳴り止まず、周囲を見回すがあさひも元同級生の四人もそれを気にする様子はなく、自分だけ見えているのかと首を傾げたその時、突然足下が光り輝いた。 「えっ、なになに!?」  ようやく気が付いたのか慌てるあさひの声を耳にしながら、目も開けられないほどの光に目を瞑ると、まるでジェットコースターが落ちる時のような浮遊感と気持ちの悪さを感じ、思わず座り込む。  目を瞑っていても瞼を通して感じる光にしばらく目を開けられずにいた。  浮遊感と光が収まったのを感じ目を開けると、見慣れたビルや車が通る街並みではなく、冷たい石畳の神殿のような場所に座り込んでいた。  春になり冬に比べればずいぶん暖かくなったものの、まだ長袖を着ていなくては肌寒い季節だったのに、今いる場所は石畳故か先程よりも肌寒く感じる。  ぶるりと体が震えたのは果たして寒さ故だったのか……。 「おお! 成功だ」 「巫女様がおいで下さったぞ!」  いったい何が起こったのか、ここは何処なのか。呆然と固まる瑠璃の前で、神官のような白い祭服を着た老人や年嵩の男性達が、瑠璃達をそっちのけで喜んでいる。 「…………はっ?」  ようやく動き出した思考だが、すぐに混乱状態に陥る。  周囲を見渡せば先程まで一緒にいたあさひと四人の中学時代の同級生。  彼女達も瑠璃と同様に現状が把握できないようで、ポカンと口を開けている。  そんな中、西洋の王子様といった衣装の若い男性が口を開く。 「ようこそいらっしゃいました、我らが待ち望んだ巫女姫……?」  にこやかに話していた男性は、一番近くにいたあさひ以外の、瑠璃や他の同級生の顔を目にしたとたん驚愕した表情を浮かべた。 「神官、どういうことだ! 女性が三人もいるではないか」  男性が周囲にいる祭服のような白いローブを着た人達に向け声を荒げると、その中で一番豪華な祭服を着た老人が歩み出て来る。  老人は未だ呆然としている瑠璃達を眺め、ふむふむと顎に手を当て、 「どうやら巫女姫以外の者まで召喚してしまったようです」 「どの方が巫女姫であられるのだ?」 「巫女姫は、稀なる色彩と誰をも惹きつける力を持つとされております」  殿下と呼ばれた西洋の王子のような服の男性は、あさひと瑠璃と同級生の女の顔を一人一人確認していき、あさひに向かって笑みを浮かべた。 「ならばあなたで間違いない。この中で一番魅力的な方だ」 (なんて失礼な男だ! ほとんど考える時間もなくあさひに決めたわ)  瑠璃は心の中で憤慨した。  男性があさひの前に跪き手を差し出し、まるで騎士が愛を捧げているかのような格好に、あさひは頬を染め恐る恐る手をのせた。