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作者:羽倉せい,霧夢ラテ
类型:乙女向 书籍样本 日文
出版:2017-02-02(角川书店)
价格:¥600 原版
文库:角川Beans文库
丛书:流星茶房物語(2)
代购:lumagic.taobao.com
流星茶房物語 月下の龍と恋を誓う 流星茶房物語 月下の龍と恋を誓う 羽倉せい 角川ビーンズ文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 月が誘う闇の思惑 第一章 青茶が招く青天の霹靂 第二章 感覚と美学 第三章 運命を賭ける茶の問い 第四章 月と涙と器の秘密 第五章 月下に茶聖あり 終章 流れ星の名のもとに  あとがき 中秋の月が輝く夜。 尤国の宮廷に赴いた茗聖に、国王は言った。 「そなたの茶で、余に月を見せることができたなら、 その月に免じて血を流すことなく、この国を龍国の州とする」 翌晩の茶宴にて、茗聖は国王に一煎を差し出した。 月光のごとく澄んだ器に、黄金の茶。それを見た国王は、高らかに笑った。 「──嗚呼。いま余の手にあるは、真に月なり」 『龍国史記』より  それは、水色が橙の茶だった。  茶杯は、いっさいの無駄をはぶいた白磁。その中でたゆたう青茶の香りに、四十代と思われる壮年の男は、強欲さを滲ませた鋭い眼光を珍しく和らげた。 「なんとよい香りだ。真に素晴らしい」 「ありがとうございます。斐丞相閣下」  そう答えたのは、赤墨色の僧衣を身にまとい、炉壇が配された板床に正座する青年だ。年の頃は二十代前半。黒い瞳は秋風のように涼しげで、すっきりとした剃髪がよく似合う。天女と見まがうほどの、中性的な美貌の僧である。  龍国の皇都、紅の東に位置している隆縁寺は、いくつもの殿からなる荘厳な伽藍だ。  月が輝く夜。静謐な気配が漂う客間に座した斐周は、茶杯を両手に持つと口に寄せた。 「立派になったな。このときを待ち望んでいたぞ」  茶を飲んだ瞬間、斐周ははっとしたように目を見張った。 「なんと! この旨さはどうしたことだ──孤空!」  孤空と呼ばれた青年僧は、ゆるやかに微笑んだ。 「私は水にこだわっております。閣下が好まれているこの銘柄には、同じ土地に湧く名水、玉凰泉水がよく合います。硬い口当たりの水ですが、茶葉の香りと深みが増すのと同時に、この銘柄独特の渋さをまろやかな甘みに変えてくれるのです」  さらりとした孤空の返答に、斐周は驚嘆の息をついた。 「ほうぼう旅をして得たことか。苦労したの