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作者:奥山鏡,みずきたつ
类型:乙女向 TL 书籍样本 日文
出版:2016-09-26(Media software)
价格:¥639 原版
文库:Gabriella文库

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明治東京ロマネスク    第一章 りんと鉄道王 「なんてきれいなの! まるで、お姫様の着物みたいな街並みだわ!」  雲雀のさえずりのような少女の声が響き渡る。  時は明治。場所は東京、日本一の色里だと謳われた吉原遊廓。  吉原を中央で突っ切る大路・仲之町通りには、今が満開の桜並木が植えられていた。  通りの左右には、宴会から娼妓の斡旋までこなす引手茶屋が軒を連ね、それぞれの出入口に桜模様の雪洞と花のれんを下げている。軒先の腰かけ台にまで、花柄の布が掛けられている様子が愛らしい。  夕闇に沈む頃は、情欲で濁った目をした遊客がひしめくはずの大路も、まだ陽の高い今時分はのんびりとした雰囲気だ。  漆の鬢盥を抱えた髪結いに、天秤棒に肥桶を吊った農夫、さまざまな荷を背負った行商人が、ゆるゆると行き交っている。  彼らの頭上で咲き誇る桜花が、気まぐれな春の疾風にあおられる。折れんばかりに枝がくねって、舞いあがった桜吹雪が吉原遊廓を包み込んだ。  街も、人も、空も、すべてが華やかな桜模様になる。  まさしく春爛漫。心が浮き立つようにあでやかな光景だ。  少女──山根りんは、長い睫毛をくるんと跳ねあ