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作者:久我有加,志水ゆき
类型:乙女向 BL 书籍样本 日文
出版:2017-01-19(新书馆)
价格:¥620 原版
文库:Dear_Plus文库

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酸いも甘いも恋のうち 酸いも甘いも恋のうち 目次 酸いも甘いも恋のうち 茨の道でも恋は恋 あとがき 「ああ、こないだの犬の……。どうじゃな、その後、目の具合は」  分別くさい口調で言うと、十数人の観客たちがにやりと笑うのがわかった。うどん屋の二階にある小さな座敷にひしめいているのは皆、落語通だ。これから先の展開を知っているから笑ったのだろう。十二月に入った途端、急激に気温が下がった。外は冷たい風が吹いているが、室内は熱気に満ちている。  その熱気を快く感じながら、気安い口調で続けた。 「へえ、おかげさんで、よう見えますわ。……悪なる前よりよう見えまんねん。見えすぎまんな」  山川小藤こと神保富秋が話しているのは『犬の目』だ。目が痛くなった男が、知り合いに教えられて評判の良い医者を訪ねる。医者は目玉をくり抜いて洗浄するが、乾燥させている間に犬に食われてしまう。仕方がないので、かわりに犬の目を入れたという奇想天外な話だ。戦前からある古典落語である。 「用心はええんですが、一つだけ困ったことがありまして。──何やいな」  首をすくめ、困ったような半笑いで言う。 「電信柱見たら小便がしとうなり