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作者:時海結以,五浦マリ
类型:乙女向 书籍样本 日文
出版:2016-12-25(小学馆)
价格:¥702 原版
文库:LuLuLu文库

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小学館ジュニア文庫 井伊直虎 ~民を守った女城主~ 小学館eBooks〈立ち読み版〉 井伊直虎 ~民を守った女城主~ 時海結以 イラスト 五浦マリ 目次 第一章 井伊直虎 虎の目を持つ娘 一  姫と、やさしい婚約者 二  守られなかった約束 三  男を演じる女城主 第二章 井伊直政 赤鬼とよばれた男 一  真っ赤な炎の思い 二  戦の中へ 三  民を守る心 四  井伊の赤鬼 一  姫と、やさしい婚約者   水のわきでる地  遠江(現在の静岡県西部)には、海とつながった大きな湖がある。その湖の北に、きれいな水がわく、井伊谷という地(現在の浜松市北区)があった。  戦国時代、井伊谷を治める井伊家の城──井伊谷城に、ひとりの姫がいた。名前はわからない。水がわく地の姫なので、いずみ姫、とよんでおくことにする。  いずみ姫には、大好きな人がいた。大人になったらお嫁になる、と両親から言い聞かされて育った、亀之丞だ。いずみ姫とおなじ歳で、とてもやさしい若君だった。  天文十三年(一五四四)夏。十歳のいずみ姫と亀之丞は、いろいろなことを教えてくれる南溪和尚に連れられ、神社の井戸へ行った。和尚は、龍泰寺という寺のお坊さんだ。 「わあ、きれいな水がどんどんわいている」 「どこからわいてくるんだろう」  ふたりは、水がわきでてくる井戸をのぞきこんだ。 「いずみ姫さま、亀之丞さま、井伊家のご先祖さまは、この井戸の、水の神の申し子なのですよ」 「水の神さまの子?」  南溪和尚は語る。 「ええ、昔むかし、お正月の朝、この神社の神主が、生まれたばかりの男の子を、この井戸の中に見つけました。  その子を育てていたところ、京の都から、この地を治めるために来た貴族が、気に入ってもらいうけ、大人になったときに、ひとり娘と結婚させました。その井戸の中の男の子こそ、井伊家のご先祖さまで、井伊谷城をつくったかたです」 「男の子をもらいうけ、大人になってひとり娘と結婚、わたくしと亀之丞さまみたいね」 「そうだね。いずみ姫も、井伊谷城のひとり娘だものね」  亀之丞は、いずみ姫の父直盛のいとこにあたる。井伊谷城には、いずみ姫の曾祖父直平と、父で井伊家当主の直盛、母がいた。母の名前もわからないが、椿の方、とよんでおく。  いずみ姫の祖父で直盛の父の直宗は、すでに亡くなっていた。  亀之丞は、直宗の歳のは