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作者:白ヶ音雪,鳩屋ユカリ
类型:乙女向 TL 书籍样本 日文
出版:2016-10-27(Harper Collins)
价格:¥590 原版
文库:香草文库(Vanilla)

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後宮恋譚~皇帝陛下の甘蜜姫~ ヴァニラ文庫 後宮恋譚〜皇帝陛下の甘蜜姫〜【サンプル版】 [著]白ヶ音雪 [イラスト]鳩屋ユカリ    一話 風になぶられる花  白魚のような指が、七弦琴()を掻()き鳴らしている。  切なく、優美で、軽やかな音色。  それは唐突にふっと途切れ、入れ替わるように廊下に二人分の足音が響いた。  誰かがこちらに向かってくる。  花蓮()はたった今まで爪弾いていた琴から顔を上げ、その誰かを待った。  ほどなくして部屋の外から聞こえた声は、この屋敷に長年仕える老侍女のものだった。ひやりとした事務的な声が、淡々と父の渡りを告げる。 「花蓮様。旦那様がおいでです。お通ししてもよろしゅうございますか」 「ええ……」  花蓮は物憂()げな表情で声を返した。  何か特別なことでもない限り、父がこの離れまで訪れることはない。  恐らく、喜ばしい報せを持ってきたわけではないだろう。そう感じたのは単に直感からくるものだったが、ほどなくして現れた父の表情によって、花蓮はその直感が間違っていなかったことを知る。  戸の外から、父の声がした。 「花蓮、入ってもいいかね」 「どうぞ